仙台に行って思った事

この週末は、自分の学位論文の指導教官として大変お世話になった
小松教授の退官パーティーということで、仙台に行ってきた。
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埼玉の地元の仲間たちがボランティアとして被災地に何度も訪れているのにも関わらず、
まことに恥ずかしい限りなのだが、実は震災後はじめての仙台入りだった。
そういう訳で土曜日の夜から前乗りして、高校の同級生達にも会ってきた。


東松島市や石巻市で(自分の)オフィスが浸水した、
仙台市でショッピングモール内のオフィスが全壊した、
またそこまで酷くはなくても自分がかつて親しくしてた友人たちは
みな何かしらの被害にあったのだが、
彼らとも今回あれからはじめてゆっくり話をしてきた。


なぜ自分は、高校大学と多感な時期を過ごした第二の故郷 仙台を
今まで訪れる事が「出来なかった」のか?


おそらく怖かったのである。
情けない事だが、愛着ある街や友人たちが、
全部まとめて尋常ではない苦境に陥ってる事実を直視するのが
怖かったんだと思う。


自分の同級生の母親、仙台で生まれ育ち、
今は東京で暮らしてる75歳過ぎの老女だが、
震災から一ヶ月くらい経った頃「気仙沼の友達が心配だ」と話していた。
だが彼女は連絡を取るどころか、安否確認さえしようとしていなかった。
仙台に住む他の友人たちも同様だという。

もし無事なら、向こうから何かしらの連絡があるはずなのだ。
一ヶ月経って音信不通という事は、おそらくかなりの確率でそういうことだろう。
年老いた彼女らにとってそれ以上の事実を知る必要があるのだろうか?
そんな彼女達を、「冷たい」と責める事なんて、出来ない。

自分はさすがに連絡は取ってきたし、
必要だと言う物を送ったりはしてきたが、
仙台に足を踏み入れる事が出来なかった。
おそらく彼女たちと同じ感情だろうと思う。


今回会った友人達は、多く口には出さなかったけど、
やっぱり大変な一年間を過ごしてきたんだと思う。
大きな余震があるたびにヘコんで連絡をよこす奴もいた。
みんなギリギリな精神状態の中で必死にあがいてきた、
いや、今でもあがいてるんだと思う。
苦労話をしないのは、いまだ「思い出」にはなっていないから。。。


でも今回会った友人たちのほとんどは「まずはやっと落ち着いてきたよ」と口を揃えた。
その言葉に救われた。

そしてみんな、今さらノコノコやってきた私を歓迎してくれた。
本当にありがたいと思う。

震災後の一年、自分の弱さと無力さを、嫌というほど実感させられた。
自分が被災地に行ったって、何ひとつ役に立てる事なんか、ない。
でもこれからは、頻繁に彼らに会いに行こうと思う。



仙台にて photo by nobu (CysW300)

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by nobmami | 2012-04-16 08:29 | その他 | Comments(6)

Commented by よしろ at 2012-04-16 09:35 x
ぼくは、これくらい重いほうが書き込みやすいです。

ぼく自身も福島の友だちに、震災直後一度だけ家に電話してみたら繋がらなくて、「これはよもや・・・」とゾォ~っとしてしまって怖くてその後放置したのでした。心にモヤモヤした思いを抱えながら放置したので確信犯です。

そして自分のブログにその顛末を書いたら、当人から「無事だよ」という連絡をもらいほっとしたと同時に、己の「逃げ腰体質」を苦々しく思ったということがありました。

世の中には、あれこれ考える前にまず行動!とばかりに被災地へすっ飛んでいった人もたくさんいて、そういう人達の行動力を素直に尊敬するし、対照的な自分を恥じ入るのですが。

nobmamiさんのケースとは違うけれど、案外そんな風に忸怩たる思いを抱いてる人はたくさんいるのだと思いました。
Commented by FUNK at 2012-04-16 10:10 x
東松島とか、何にも無いんだよね。 家の基礎だけ残っていたりして。 オレも昨年9月に行ってきたけど...
先生のコメント読んでいたら、何だかわからないけど涙が出てきたよ。 先生もある意味被災者なのかもナ。 
Commented by nobmami at 2012-04-16 19:41
<よしろさん>
自分がこういう逃げの心境になったのはGWあけてからかな。震災直後は青年部の会長として私的な感情を押さえて、公な判断を下すことが大事だったからね。
GWあけて6月ぐらいになったらその心理的歪みが一気に来たというか・・ でも今までぐじぐじしてた気持ちが、元気に頑張ってる仲間に会って、逆に救われました。
当然だけど、たぶんずっと関わっていくんだろうなと思います。
Commented by nobmami at 2012-04-16 19:43
<FUNKさん>
自分の思いのまま書いてしまって、少し後悔してるのですが・・
なぜなら実際に被害にあった人がこれを読んだら「何甘いことを」って思うかなと。その方々はそういう思いに逃げ込むことも出来ず、前に進まなくてはならなかったのですから。
今までの分、取り返そうと思います。
Commented by azure159 at 2012-04-17 10:49
今からでも全然遅くはないのではないのでしょうか。
私など何もできないことにいい訳ばかりを探してしまっています。
みなさまに少しでも笑顔が戻ってくることを願っております。
Commented by nobmami at 2012-04-17 19:17
<azure159さん>
コメントありがとうございます。
自分に今出来ることは、少なくとも知ってる人たちや、そこに繋がる人たちの事を、ずっと思い続けることかなと。
そこからまた何かが生まれてくればと思っています。